
使うほどに増す味わいを楽しめる
生活になじむ和紙の文具
今回のソラミドインタビューでは、和紙を使った文具を制作されている「いろがみ」の松山智子さんにお話を伺いました。
和紙を、現代の生活に
幼いころからお習字をされていたという松山さんは、そのまま書の道を目指し、大学でも書道を学ばれました。
その後、「書画以外ではあまり使われなくなってしまった和紙を現代の生活に合う形で使えないか」と考え、10年以上前から和紙を使った文具の制作を開始。
使われている和紙は、厚手で丈夫な手漉きの“阿波紙”。
和紙は、産地や原料によっても特徴が異なります。これまで松山さんは実際に和紙の産地をいくつか訪れ、阿波紙にたどり着いたといいます。

下から阿波紙・藍染したもの・柿渋染めしたもの
「和紙」と聞くと、破れてしまうイメージを持つ方もいるかもしれませんが、手漉きの紙は原料の“楮(こうぞ)”の繊維が長いまま絡まり合っているため、手ではなかなか破れないほど丈夫なのです。
その和紙を植物染料や柿渋で染め、手縫いで仕上げてからロウ引きを施し、
探究心を忘れない
染め方も、縫い方も、すべて独学。
自然の植物染料を使うからこそ、理想の色を表現するのに苦労されたこともありました。
それでも、さまざまな染料を試し、試行錯誤を重ねながら、現在の作品たちのような自然な深みのある魅力的な色を実現されました。
天然の材料によって染められた紙だからこそ、使うごとに色がより味わい深くなったり、細かなシワが入って手になじむようになったり。
長く使うほどに増す味わいも楽しむことができるのも魅力です。

初期の作品を松山さんご自身で愛用中
今後もさらに、ほかの色も試していきたいと松山さんはおっしゃいます。
長年作品づくりを続けながら、今も探究心を持ち続ける松山さん。
これからも味わい深いすてきな魅力のつまった文具たちが生まれるのを楽しみにしています。
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いろがみさん
書画以外ではあまり使われなくなってしまった和紙を、現代の生活に合う形で使えないかと考え、和紙を使った文具を制作しています。 柔らかく強い和紙の特徴を生かすため、植物染料や柿渋で染めてからロウ引きを施し、しっとりと肌触りの良いものを。きちんとコーティングしてから手縫いで仕上げているので、長くお使いいただけます。 使い込むほどに味わいが増す風合いもお楽しみください。 作家ソラミドインタビュー http://www.soratomidori.jp/5625/