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千葉県・夷隅郡

知られざる地球の歴史を紐解く旅 ー養老渓谷ー

知られざる地球の歴史を紐解く旅 ー養老渓谷ー

千葉県、房総半島のほぼ中央、千葉県夷隅郡大多喜町から市原市を流れる養老川による谷あいが連なる養老渓谷。

気軽に渓谷沿いをめぐるトレッキングから、美肌の湯で名高い温泉まで、春は新緑、秋は紅葉と、さまざまな魅力が凝縮しているここ養老渓谷ですが、近ごろ新たな話題を集めています。

それは、「チバニアン」
初めて聞く方も多いかもしれません。ラテン語で千葉時代という意味で、地質年代の一つです。地質年代とは、46億年前に地球が生まれてから、人間によって歴史が刻まれるようになる有史時代(直近数千年)までの間を指し、ジュラ紀やカンブリア紀といったように、その地層の特徴ごとに名前がつけられています。


地球は今までの長い歴史の中で、N極とS極が入れ替わる現象を何度か起こしてきたのですが、それが最後に逆転したのが約77万年前。その最後に地磁気が逆転した地層が、この養老渓谷付近のとある地形(千葉セクション)で顕著に見られるのですが、ここから約12万6千年前までの間が、新たにチバニアン(千葉時代)と命名されるかもしれないのです。


これらの選定はは国連の団体である国際地質科学連合が担っており、ライバルとして同じ時代の地層が発見されているイタリア南部の2地域がありますが、遅くとも2018年中には決定される見通しです。基準地が正式に千葉セクションに決まれば、日本初の快挙となります。世界中の地理の教科書に、日本発の地名が記載されるかもしれないなんて、なんだかとてもワクワクしませんか?

 

そんなはるか太古の地層、千葉セクションを見学しに、里山トロッコ列車(http://www.kominato.co.jp/satoyamatorocco/)で有名な風情あるローカル線、小湊鉄道の月崎駅へ向かいましょう。駅から歩くこと30分、渓流沿いの岸壁に、その地層の変化を見てとることができます。過去に起きてきた地磁気の逆転現象は、様々な地球環境の大変化を引き起こしてきたと言われていますが、まさに地球の歴史の記録として、現代を生きる私たちの眼前に広がり、普段あまり意識することのない、太古から続く地球の営みに想いを馳せることができます。川沿いを歩くので、長靴の用意をお忘れなく。また、時期によっては川嵩がまして危険な時もあるので、くれぐれも足元にはお気をつけて。

地球の胎動の歴史の記録を目の当たりにした後は、ゆったりした渓谷沿いを歩いてみませんか。月崎駅から二つ目の駅、養老渓谷駅から徒歩20分ほど下り、ほどなくして見えてくるのは雄大な粟又の滝(養老大滝)。よく整備された遊歩道を歩き、マイナスイオンを全身に浴びながら、滝巡りの旅としゃれこみます。こちらは秋は見事な紅葉に彩られ、訪れた人々の目を楽しませてくれますよ。

たくさん歩いたら、温泉で疲れた体をほぐしましょう。県内有数の温泉地でもある養老渓谷。養老温泉の源泉は黒湯と呼ばれるヨード分の多いトロッとした泉質で、名前の由来である深いコーヒー色をしたお湯が、体を芯から温めてくれます。

四季折々の風景、そしてはるか昔の地球の営みをも感じることができるここ養老渓谷。
その魅力をめいいっぱい満喫してみませんか