soramido 空と緑のくらし店

ドーナツとコーヒーで「ようこそ」を伝える

北欧のような街・佐久穂町のウェルカムセンターとして

長野県南佐久郡、佐久穂町にあるドーナツカフェ『mikko』。地元佐久穂産の有機小麦を使用したドーナツと、コーヒーを楽しむことができます。今回は、店主の塚原諒さんにオープンのきっかけやお店に込める思いについて伺いました。

 

すべては“タイミング”だった

塚原さんが佐久穂町で暮らし始めたのは2017年11月。「大日向小学校」開校の手伝いをすることになったのがきっかけでした。

そもそもは日本初のイエナプランスクールの設立準備メンバーとして動いていた株式会社アソビジの代表・中川綾さんと、株式会社ナガオ考務店の代表・長尾彰さんに声をかけてもらったところから。

このお二人と塚原さんの出会いは、東日本大震災をきっかけに立ち上げられた「プロジェクト結(ゆい)」(被災地での子どもの学びと遊びの機会を支援)に、塚原さんが参加したこと。震災後、塚原さんは石巻の在住スタッフとして、ボランティアの方たちの受け入れやサポートを行っていたそうです。

大日向小学校開校のためのプロジェクトが進むなか、佐久穂町にも「地域と密に関わるためにも在住スタッフが必要」ということになり、塚原さんが務めることになりました。

そして、将来的にはみんなが集える「場」をつくりたいと考えていた塚原さんは、佐久穂町で暮らしてすぐに、カフェを開くことにしました。タイミングよく大家さんと出会えたこともあり、トントン拍子で話が進んでいったのだとか。

 

なぜ“ドーナツ”だったのか?

塚原さんに「なぜ“ドーナツ”にしたのですか?」と聞いてみると、返ってきたのは

「ドーナツという“物体”が好きなんです」というひとこと。

塚原さんは、かつて日本文学を専攻していた大学時代には村上春樹さんの小説を研究し、“ドーナツ”やそれに関連するモチーフについて論文に書いたこともあったそうです。そんなこともあって塚原さんの中に“ドーナツ”という存在が根付くことになりました。

「丸があって、その中にぽっかりと穴があいている状況というのが非常に興味深いというか。シニカルな表現に惹かれたのもあって、彼の作品を通じてドーナツというモチーフが好きになってしまいました」

以前、パン屋さんで働いていた時期もあるそうで、パンと同じように世代を問わず誰にとっても親しみやすいという点も、ドーナツ作りを始めるひとつの要因になりました。

 

“街のウェルカムセンター”を目指して

大日向小学校の開校に向けて、県外から移住を検討する人も増え、校舎を見学に来たり、家を探しに訪れる人が増えるだろう、と考えた塚原さんは、mikkoを「街のウェルカムセンターにしよう」と考えます。

「自分が旅行などで初めてどこかを訪れたとき、その土地の誰かに『ようこそ来てくれました』なんて話してもらえたらうれしいと考えたんです。だから、佐久穂町に来てくれた人たちに『ようこそ』と言えるような場所を作りたいと思いました」

ちなみに店名の『mikko(ミッコ)』は、フィンランドなどでポピュラーな男性の名前。

佐久穂町には日本一の美しさと称される白樺の森が広がっていて、国樹が白樺のフィンランドの風景に近いところがあるのだとか。

mikkoで食べることができるドーナツには、北欧で愛されるスパイス「カルダモン」を使ったものもあります。

のどかな空気の中で、おいしいドーナツとコーヒーをいただける北欧風のドーナツカフェ。佐久穂町の雰囲気をギュッと凝縮したような空間は、“ウェルカムセンター”にぴったりです。

地元の人も、それ以外の人も。お店を訪れた人たちを穏やかな雰囲気で迎える塚原さん。今後もさらに訪れる人が増えていくであろうこの街で、佐久穂町ののどかで優しい空気を「ようこそ」とともに伝えていくことでしょう。

mikko

長野県南佐久郡 佐久穂町海瀬57-1

営業時間:9:30 – 17:00 / 定休日:月曜・火曜